西宮講演会

長岡京大極殿址西側から,これまで不明であった第一次内裏址(「西宮」)の一部とみられる回廊の北西角遺構が発見されました。

“乙訓の文化遺産を守る会”と“日本史研究会”では,この貴重な遺跡の保存要望を各機関に提出していますが,この遺跡を広く皆さんに知っていただくため2月20日(日)向日市民会館で『長岡京 西宮を考える』講演会を開催し、70名を超える皆さんの参加がありました。

向日市埋蔵文化財センター松崎俊郎氏は『推定「西宮」
遺跡発掘の現状報告』、元帝塚山学院大学教授中尾芳
治氏は『難波宮と長岡宮の内裏遺構をめぐって』のテーマ
で講演がありました。

                                                                                 

 松崎俊郎氏は、これまで発掘された長岡宮址発掘スライド写真を使って、今回の複廊遺構が重要な遺跡であることを説明しました。また続日本紀に見える第一次内裏の西宮の回廊の一部である可能性についても言及しました。
質問としては「築地塀、単廊、複廊などはどう使い分けられていたのか」などがありました。
     
 中尾芳治氏は、後期難波宮の発掘経過を説明し、 後期難波宮、平城宮、平安宮の殿舎配置と規模について説明がありました。発掘の複廊遺構については、後期難波宮から朝堂院などと一緒に移築された第一次内裏址である可能性が高いことを強調されました。
質問としては「付近で発掘された木簡にある嶋院址ではないか」などがありました。
 
    
 最後に向日市や京都府、国に提出する「長岡宮第一次内裏(西宮)回廊推定遺構の保存についての要望書」について、事務局から説明したところ、多くの参加者から賛同の拍手をいただきました。